研究紹介
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Kimura, F., Itami, C., Ikezoe, K., Tamura, H., Fujita, I., Yanagawa, Y., Obata, K. and Ohshima, M. (2010) Fast activation of feedforward inhibitory neurons from thalamic input and its relevance to the regulation of spike sequences in the barrel cortex. Journal of Physiology 588:2769-2787

臨界期開始にはGABA細胞の発達が重要であることが、我々を含め、他のグループからも示されていたが、抑制性細胞の発達が可塑性発現を導くメカニズムは不明であった。臨界期は4層−2/3層間で生後13日以降発現するが、この論文ではGABA細胞が非常に速い抑制を興奮性細胞に起こし、感覚入力により、4層−>2/3層順の発火が起こるように制御を行っていることを示した。またこの発火制御は生後14日以降に完成することから、GABA細胞による発火制御の成立と臨界期開始になんらかの関連があることを示唆しており、次のJ. Neurosciの実験のきっかけとなった。この論文はmost downloaded of the issueになった。


4層のGABA細胞は興奮性細胞よりも視床からの潜時が平均約0.7 ms短い。わずかに早く活動することにより、4層の興奮性細胞のEPSPの後半と2/3層細胞のdisynaptic EPSPより早いdisynaptic IPSPをおこす。その結果、L4−>L2/3順の発火となる。この様な潜時差は生後12日以降にできる。


 
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